株式投資からの上手な撤退方法

長期・分散・積立投資の考え方は、資産形成において有効な実績を残しています。この考え方は、長期間の投資により経済の拡大の恩恵を受け、分散投資により個別投資先のリスクを低減させ、積立投資により売買日の株価の影響を緩和させます。

これは、皆さんもご存じのことと思います。

この考え方は、実は株式投資からの撤退にも有効だと言えるのではないでしょうか。具体的には、一気に解約するのではなく、株を保持しながら、毎月一定額の解約を続けるのです。

それに一気に解約しようとすれば、売却のタイミングに迷います。「今売ったら、後でもっと値上がりするのではないだろうか」とか、「今後値下がりするのならば、まとめて売ってしまいたい」などです。

一気に解約すると、解約した時点の株価で手にする金額は確定してます。株価の利益に対する税金はもちろんのこと、使わない手持ちのお金は銀行金利くらいしか利益を持ちません。

必要以上のお金は株式投資を続けることで利益が継続します。もちろん原資は低減しますが、銀行からの引き下ろしよりも長期間継続することができます。

例えば、手持ちの預金口座には3,000万円あるとします。金利を0%と仮定して、毎月15万円ずつ引き下ろせば、16年と8か月ですべて無くなってしまいます。

一方、株式投資を続けながら、毎月15万円ずつ解約していくとします。運用利回りを3%仮定すると、22年と11か月ですべて無くなります。

あくまでも、長期・分散・積立が成り立つと信じれば、(何歳から解約を始めるかにもよりますが、)一気に解約するよりもリスクは低減されると思います。