すぐに本の世界へ引き込まれました。
東欧での戦争とリンクしているからでしょうか。いいえ、それ以上に執筆での資料収集、分析、時代考証を綿密に行っているのが、素人にも分かるほど細部まで描写しているから。
それゆえフィーマがなぜ戦うのか、その心情が良くわかる。彼女の目的は女性を守ること。敵は独軍だが、赤軍を撃つことで目的を際立たせています。それと同時に、本作品は「なぜ生きるのか」、という本質的な問いを、登場人物に答えさせています。
敵戦車に飛び込むバロン、子供を助けようとしたボグダンやママ。人は人のために生きることも描いている作品です。