本のタイトルを見たとき、軽い違和感を覚えた。仕事での人間関係を向上させるためには、自己開示が必要です。オープンな人間関係が仕事で成功をもたらす、と誰もが考えているでしょう。だからこそ、自分のことを人に話したほうが良い、と思っていました。
著者の主張は、自分を分かって欲しいと思うことほど傲慢なことはない、プライベートなことを聞かない方が失礼になる、本気のゴマすりで相手を動かす、メールでお世話になっておりますは使うな等々。
私のアプローチと180度違う。著者の主張を実行すれば、それこそ失礼になると感じていました。
しかし、読み進むうちに、それは主張の場面設定が、私の想定と違うことに気づきました。著者は営業やプレゼンテーションなど、「自分の仕事を売り込む場面」での主張です。
営業に飛び込んだ先であれば、なるほど「自分を分かって欲しいと思うことほど傲慢なことではない」と言えるし、営業相手の歓心を引き出すためには相手の「プライベートなことを聞かない方が失礼になる」のは当然となります。
他にも営業は相手の時間を奪う行為でもありますから、「雑談好きの人は大事な場面で選ばれない」のもうなずけます。
だからこそ真剣勝負の営業やプレゼンテーションの場面では、「質問」にあなたの全てが表れるし、軽い謝罪ならしないほうがよいし、心を揺さぶる技術を磨くことが重要になり、資料を見ながらの発言はすべきでなく、心に刺さる言葉だけを使うことが大切と言えます。