自分も含めて私の周りでは株式投資を行っている人はほぼいない。地方都市に住み、貯蓄と退職金で老後を賄うという生活パターンが常識となっている地域では、株式投資を行う人は少ない。
そのような地域で「株式投資をどう考えている?」と周囲に質問すると、「危ない」、「全財産を無くす」、「ここ30年、株価は変わらない」との答えがほとんど。私自身も同じような考え方を最近まで持っていました。
そのような時、中途採用された職場の同僚から「私は他の人よりも退職金が4割ほど少ない。だから積立方式の株式投資をしているよ」との話を聞き、株式投資に関心を持つようになりました。
本書は、私が抱いていた旧来の株式投資に関する情報を、現在の株式投資情報にアップデートさせてくれました。何よりもありがたいのは、何がリスクなのかということを明示してくれている点。
人は実態が見えないと過大評価をしてしまい、必要以上に恐れの感情を持つ。何が実体なのかがわかれば、等身大で物事を見ることができる。そのように、等身大の投資とお金の姿を示してくれます。
具体的に言うと、「株式投資の本質は、投資先の成長性や収益性が重要」であること。株主優待などは雑誌などでも取り上げられ、有名人は株主優待で生活しているところをみるとそのような株を欲しくなります。
しかし、優待はあくまでも企業からのお礼。大切なのはその企業がどれくらい収益を上げて企業価値が向上し、それによって株価が上がり、利益を得ることができるか、ということ。
無料食事券や搭乗割引、ビールやジュースにつられて成長性に劣る企業に投資をすれば、リスクは上がります。
本書はこのような投資やお金に関する原理原則を、初心者にわかりやすく、しかも網羅的に構成しています。投資やお金に関する全体像を把握することができる本です。