相場を正しく予測できても、正しく行動できない



例えば、上のグラフの様に1月が1万円だった株価が、5月に6500円まで下がり続け、その後12月に1万1000円になったとします。

Aさんは1月から月10万円で株を買い続け、Bさんは5月から15万円で株を買い続けます。

2人の投資額は120万円で同額ですが、12月時点でどちらのリターンが大きいでしょう?

 

直感的にはBさんの方が、有利と感じます。

しかし、実際に計算をしてみると12月時点のAさんの資産は154万円、Bさんは149万円です。

相場が下がる前から投資をしていたAさんの方が、高いリターンを得ています。

 

株価が下がるタイミングで投資をし続けることは、恐怖をおぼえます。その後、相場が上がると分かっていても、その恐怖は和らぐことがありません。

その恐怖の理由は、人間の脳が、「損をすること」を極端に嫌うからです。

 

個人投資家にとって、リバランスを行うことが難しく、逆の行動をとってしまう」のも同じ理由です。

「損をしたくない」という感情は、「得をすること」による感情の揺れのおよそ2倍と言われています。

株価のグラフも上がるときはゆっくりですが、下がるときは一気に下がります。

「損をしたくない」という自然な感情が、冷静な思考を妨げてしまいます。

これが、人間の脳が資産運用に向いていない本質的な理由です。

 

参考「これからの投資の思考法」