株式市場が上がり始めると、「持たざるリスク」ということが言われます。
株を持っているからこそリスクがあるのに、持っていないリスクとは一体何だろう。
これは、簡単に言うと「機会損失」のことであり、言い換えると「儲け損なう」ということです。
株価が上昇している局面で株を持っていないと、機会損失してしまい、儲け損なってしまいますよ、ということ。
いずれにしろ、投資を勧めようとするからこそこのような言い回しが登場します。
この「持たざるリスク」で深刻な影響を受けるのは、機関投資家でありファンドマネージャーであると言えます。
それは、彼らは常に同業他社と比較され、その成績で評価されているからです。
何年にもわたって他社に負けたり、運用実績が極端に悪ければ、契約を解除されて運用先を変更されたり、運用比率を下げられたりします。
一方、個人投資家の場合であれば、運用成果は自分だけの問題。
周りの人が儲かっていようが損していようが全く関係ありません。
自分が儲かっているかどうか、が一番重要な問題だからです。
上昇相場に乗り遅れてしまった、と思ったら買わなければいいだけで、むしろ乗り遅れてしまいとして焦ってしまうと、往々にしてそれが高値づかみになってしまいます。
みんなが買いにいっていると、どうしても自分も買いたくなりますが、株式投資ではみんなと同じ行動をとっているとダメで、他人と逆の行動をとらなければ儲けることはできません。
実際に、人と逆の行動をリスクを取ってまで行うことは、非常に心理的な葛藤を受けますので、よほどの強い信念を持っていないとできません。
そうであれば、せめてみんなが買いに行っており、買い損ねたと思ったら、何もしないで様子を見る。
「休むも相場」との勇気をもって、相場を観察することが重要ではないでしょうか。
参考:「あなたが投資で儲からない理由」